ビタミン不足社会人の戦闘記

自分落ち着け日記になっております。

マンガが好きかと久しぶりにきかれたので

初めて「20世紀少年」を読んだ小学生の私が心奪われたのは話の緊迫感や登場人物の人間性などではなく秘密基地への憧れであった。

その証拠に物語の結末を全く覚えていない。いつもアイツの正体が思い出せずイライラしてしまうのだがその話は長くなるので本題に入ろう。

 

その後私はすぐに友人と「ケンヂ」に負けないように、アパートの水道管が張り巡らされた地下という今思うと凄まじい場所に基地を作った。

小学生のガッツは恐ろしい。

 

そこは少しカビ臭かったが薄暗くて誰にも見つからない特別な秘密基地だった。親に怒られたときや暇で長い夏休みはよく集まってバカみたいなことで笑い死にそうになったり愚痴を言って過ごした。当時流行っていたカードゲームの見せ合いは暗い地下ではほとんど見えていなかったのに毎回盛り上がった記憶がある。21世紀少女よろしく子供時代を謳歌した。

 

 

だがその大切な秘密基地も中学生になる頃には全く行かなくなり漫画の秘密基地への興奮と共に消え去ってしまった。

そして月日は流れ私は今大人になり、その秘密基地からはとても遠い場所に住んでいる。時々小学生を見かけてはあの秘密基地に想いを馳せてみる。まだあの地下には私達が運んだブロックはあるのだろうか、知らない誰かの秘密基地になっているだろうか。

 

今はもう楽しい秘密基地を作ってはいないが、趣味や楽しいことを始めてみるときはあの基地の中にいるように感じる。誰にも邪魔されず楽しいことに没頭する空間を今も作っている。

 

マンガやアニメをひたすら観てるとき、好きな音楽を一人で爆音で聴いてるとき、趣味に溺れているときだけが色んなことから抜け出せる。

スポーツや勉強、留学にサークル全部マンガをきっかけに始めた世界も割と長く愛せている。大人になることは秘密基地に行かなくなることではなく、見えない基地をたくさん持つことかもしれない。そして秘密基地を作る原動力は今も変わらずマンガの中にある。

 

 

 

 

お題「ささやかな幸せ」